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kiriの、映画大好き!!

Gran Torino

2008年 USA 116 min              ★★★☆☆(勝手な評価)

Director:Clint Eastwood
Writers (WGA):Nick Schenk (screenplay)
Dave Johannson (story) ...
Cast
Clint Eastwood ... Walt Kowalski
Christopher Carley ... Father Janovich
Bee Vang ... Thao Vang Lor
Ahney Her ... Sue Lor
Brian Haley ... Mitch Kowalski
Geraldine Hughes ... Karen Kowalski
Dreama Walker ... Ashley Kowalski
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クリント・イーストウッド演じるウォルト・コワルスキーは偏屈で頑固な老人。
朝鮮戦争にも従軍した経験を持ち、退役後、長い間フォードに勤めたウォルトは根強い東洋人への偏見をもっていたのだが、隣人の東洋人一家の息子を助けたことから、彼らの生活に巻き込まれていく‥‥

人生の最後に守りたいものをみつけた男のとった行動とは‥‥





妻を亡くしますます偏屈な頑固者になったウォルト・コワルスキー老人は、カンザスの田舎町に一人で暮らしている。
周りは中国人のコミュニティばかり。戦争で彼らと戦い、フォードに長年勤めた彼は、ビジネスの戦いでも東洋を敵対視してきた。
だが、従弟からそそのかされた隣人の息子タオがウォルトのヴィンテージカー、グラントリノを盗みそこなって、ギャング仲間から制裁を加えられそうになるのを助けたことから、彼らに歓迎されることになる。
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翌朝、玄関に次々届く贈り物に辟易するウォルトは、
「いったい何なんだ。私のことは放っておいてくれ。」と拒絶するが、
「あなたは、息子をすくってくれた。町のヒーローだ。」と、彼らはウォルトの意向などお構いなしに彼の芝生に入り込んでくる。

ウォルトの誕生日に祝いに来てくれた息子夫婦は、彼に老人ホームを勧める。
何も分かっていない息子たちに腹を立てたウォルトだが、大家族で楽しく食事する隣人たちに誘われ話すうち、
「まいったな。家族よりあの中国人たちのほうがわかりあえる。」と苦笑いする。
ひょっとしたら、俺は今まで間違った見方をしていたのかもしれない‥‥

「タオには償いをさせます。一瞬間あなたのお手伝いをさせます。」という母親に
「やめてくれ。こっちは被害者なんだぞ。とにかく俺の敷地に入らなければそれでいい」と、なんとか断りたいウォルトだが、償いを断ることは侮辱することになると言われ、しかたなくタオの面倒をみることに。

近所の家の修繕や草刈りなどをやらせながら、ウォルトはタオに男としてのふるまいを教える。いやいや付き合っていた風のタオも、ウォルトを父親代わりのように話をするようになる。
実はウォルトは、向かいの夫人が買物の荷物を路上に散乱させた時、笑って通り過ぎる若者に腹を立てながら、手伝いを申し出たタオを少し見直していたのだ。
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仕事も車もGFもいない。と将来に希望の持てないタオに、
「お前は何にだってなれる。建築の仕事をしてみろ。必要な道具は貸してやる。」と仕事を紹介してやる。
真面目に仕事をしているタオだが、従弟たちギャングに待ち伏せされ、仕事道具を壊され焼を入れられる。

そんなタオを意気地なしだといいながらも、腹を立てたウォルトは単身ギャングの一人を傷めつけ、
「タオに手を出すなっ。」とくぎをさす。
彼にとって今やタオもその姉スーもただの隣人ではなくなっていた。

だが、そのままでは終わらない。
夜、家にいるところをギャング達に銃を撃ち込まれ、タオの姉、スーは彼らに捕まって暴行されレイプされた。
ウォルトは自分のせいだと自責の念にかられるが、復讐に燃えるタオを巻き込みたくはなかった。
彼にとっては、姉を汚された恨みはあっても、相手は従弟たちなのだ。

ウォルトには思う事があった。
彼は親友にそれとなく最後の挨拶をし、スーツを新調し、亡くなった妻の希望通り神父に懺悔する。そして、仇打ちに行くと思わせ騙してタオを部屋に閉じこめた。
一人ギャングたちのアジトに向かうウォルト。

返り討ちにしてやろうと構えているギャングたちの前でウォルトはゆっくりタバコをくわえ、
「ライターを出さなきゃな‥‥」と胸のポケットに手を入れる。
今までもフェイントをかけられ、銃を向けられるということをされていたギャングたちは、ウォルトが丸腰なのを知らず、一斉に銃を発砲する。
何発も銃弾を体に受けたウォルト‥‥。

駆けつけたタオとスーの眼の前で警察に連行されるギャングたち。
「丸腰の男を撃ち殺したんだ、目撃者はたくさんいる。刑務所に長くいることになるだろうな。」という警官の言葉に、ウォルトが考えた解決策をタオたちは知ったのだった。
そして、家族の期待を裏切り彼の遺言で、家は教会に寄付され、グレン・トリノはタオに譲られた。


あるいはウォルトの罪悪感からの罪滅ぼしの行為だったのかもしれないが、彼は長年の喫煙がたたって、肺にガンを患い余命は望めなかった。
とはいえ、やはり警察の手に頼ろうとしない彼の行為は褒められることではないかもしれない。しかし、、警察は事件にならなきゃ、どうせ何もできないさ。という最近の風潮が感じられる。
そして、結局、自分の身は自分で守れというのが、とてもイーストウッド的だなと拍手したくなる。

タオを一人残して行くウォルトの言葉にすべてが語られている。
「あいつらを一人残らず殺す気か?お前の従弟たちなんだぞ。俺は戦争でたくさんの人を殺した。戦争だったんだ。でも、いつまでもそのことを忘れなれない。お前をそんな目に会わせたくない。俺の役目はもう終わったんだ。これは俺にふさわしい仕事だ。」

イーストウッドは、年老いてもやっぱりカッコいいガンマンだと思える作品でした。

by cinema_st55 | 2009-03-11 23:18 | ヒューマン
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sean-b Loveな管理人kiriの映画覚書。B級作品中心。腐女子的コメントあり。嫌悪感のある方はご遠慮下さいね。ネタバレ普通にあります。要注意!

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