Breakfast With Scot
2007年 Canada 90 min 邦題「スコットと朝食を」 勝手な評価 ★★★★☆
Director:Laurie Lynd Writers:Michael Downing (novel) Sean Reycraft Cast Tom Cavanagh ... Eric McNally Ben Shenkman ... Sam Noah Bernett ... Scot 元プロホッケー選手で今はTVのスポーツキャスターをしているエリックは、実はクローズのゲイ。弁護士のサムと、密やかで甘い同棲生活を送っていたが、サムの兄弟の彼女が亡くなり、親権を持つろくでなしの父親が帰ってくるまで、彼女の息子を預かることに。 子供なんて嫌いだというエリックの前にやってきたのは、なんと、小さなシシーボーイ。自らの興味を隠そうともしない無邪気なスコットに振り回されながら、家族とは何かを問う、心温まるコメディ。 クリスマスにぴったりの作品ですよ。 撮影に際して、ナショナルホッケー連盟とトロントメイプルリーフスに、彼らのロゴとユニフォームを撮影する許可を得ていた。 トロントといえど、プロのスポーツリークから承認された作品はこれが初めて。 そういう意味でも大変重要な作品ですよ。 元プロホッケー選手のエリックは子供嫌い。そして、ゲイ。 TV局の同僚の女の子にはカミングアウトしているのに、上司のクレッグには絶対秘密。 ある日、同棲中の弁護士サムが彼のオフィスを訪ねてきた。彼の兄弟の彼女が交通事故で突然亡くなり、彼女の弁護士のところを尋ねなくてはならないという。 二人連れだって出かけたものの、なんと彼女の息子を預かることに‥。 「二人は結婚してない。彼女の家族に親権があるんじゃないか?」というサムに、 「5年前に入籍しているのよ。だから、親権はビリーにあるの。彼が見つかるまでは、あなたということにななるわね。おめでとう。」 「冗談じゃない。子供だって?うるさいし、乱暴だし、とにかく子供を預かるなんて反対だ。」というエリックの前に現れたのは、フェミニンななコスチュームに歌とショッピングが大好きで、ママの形見のブレスレットを大切にしている感受性の強い男の子。 とにかく、屋根裏のトレーニングルームを改装して子供部屋にしたものの、翌日から早速問題が持ち上がる。 子供との朝食なんてしたことがないサムとエリック。 ちゃんとした朝ごはんを食べたいというスコットに、プリンだのシリアルだのを食べろというサム。 「そんなのは、朝ごはんじゃないよ。」 いろいろもめそうだけど、僕には関係ないと思っていたエリックだが、忙しいサムの代わりに、学校のお迎えやらショッピングやらと、スコットの面倒を押しつけられた。 きらきら、ふわふわ、きれいなものが大好きなスコットにエリックは戸惑い気味。 スコットのためにコートを買いにショッピングモールにいけば、エリックがサムに電話している隙にはぐれてしまう。 ガードマン詰所に迎えに来たエリックを見て、警備員が、 「結婚しているとはしならなかった。奥さんはどこ?」 するとスコットが、 「彼はゲイだよ。サムと暮らしてるんだ。」と暴露され、あわてるエリック。 「そういうことは誰にでも言っていいことじゃないんだ。僕はTVの仕事があるし、イメージってものがあるんだよ。」と怒るエリックだが、ベソをかくスコットには降参だった。 濃紺のオーバーを勧めるエリックに、スコットは少し不満気味。なにしろ彼は華やかなものが好きなんだから‥。着てみろというエリックに、しぶしぶ鏡の前に立つスコット。 おやっ‥‥以外にいい感じ。ポーズをとるスコットを見ていた男が、 「おいっ、子供のシシーがいるぜ。」と笑った。 カチンときたエリックが、ガンを飛ばして追い払う。男の子らしくないスコットにはイライラするけど、他人に言われると癇に障るのだ。 ハロウィーン間近、スコットはサムたちの友人の子と共にチアガールのコスチュームで盛り上がるが、エリックはショックをうける。 その上学校の呼び出しに迎えに行くと、スコットのどぎついメイクは嘲笑の的。 「思うんだけど、サム。スコットはゲイだよ。」 「まだ子供じゃないか。」 「彼はステレオタイプのゲイだよ。」 かくしてスコットを普通の男の子にする作戦を開始する。 まず手始めに、化粧品やふわふわした小物を没収。 しょぼくれているスコットをエリックは買い物に誘う。 「あの人ゲイ?これはゲイの食べ物?どうしてゲイになるの?」と、スコットの質問攻めに辟易するエリック。 「いいか、どうしてじゃない。ただ、ゲイなんだ。」 エリックは自分の得意なホッケーにスコットを連れて行く。 スコットの滑りはもちろん華麗なフィギア。そんなスコットをエリックは少年ホッケーチームに入れる。エリックを見た監督は喜び、ぜひチームのコーチをしてくれと上機嫌。 最初不満だったスコットも、近所に住む悪ガキ、ライアンとホッケーを通じて友情が芽生え始めホッケーの練習に打ち込む。 もともとスケートが得意なスコット。ホッケーでもレギュラーに抜擢。それをよく思わないチームメイトの悪口にも負けていない。 ところが試合の前の晩、ライアンのところに警察が。新しいサッカーシューズをライアンがとったのだった。 試合に出れなくなったライアンのためにも、頑張りたいスコットだが、初めての試合にビビり気味。そんな時、チームメイトから 「ゲイのスコット、君が一番!」とエールを送られる。 悪意のないエールだったのだが、ライアンが出れないのは彼の新しいシューズが原因だと切れたスコットは、試合もそっちのけでチームメイトを殴り倒してしまう。 試合はめちゃくちゃになり、不機嫌にスコットを連れて帰ろうとするサム。それを引きとめ、チームメイトに謝らせたいエリックは言い合いになる。 「スコットは、君の子供じゃない。」 サムの一言は、エリックを打ちのめす。 時はクリスマス間近。 スコットとの別れも近い。 TV局の会議室。 ミーティングに集中できないエリックの携帯が鳴る。 「おい、やる気はあるのか?エリック。」 グレッグの嫌味に、毅然として電話に出るエリック。 「子供が‥スコットっていうんだけど、子供なんて面倒なだけだと思っていた。でも、それは違う。僕にとってスコットは‥家族なんだ。」 吹っ切れたように微笑んで席を立つエリック。 家にはビリーがスコットを迎えに来ていた。 大切なものはみんな自分から離れていくと悲しむスコットに、 「それは違う。ママは事故だったんだ。君と一緒にいたくないわけじゃない。」 スコットとのクリスマスを、思い出に残るものにしたいサムとエリック。 家には、次々と集まる大人や子供の友人たち。 「初めてゲイの家に来たぜ。」とライアン。 喧嘩したチームメートも現れて、スコットと仲直り。それでもなんとなく浮かないスコットに、エリックは没収した化粧品やアクセサリーを返す。 「いいの?」 「いいんだ。(自分らしくいるのが一番さ)」 大人たちがパーティディナーの用意をしているところに、スコットの父親が新しい恋人を連れて戻ってくる。 「クリスマスプレゼントだって言うのか?パソコンや子犬じゃない。スコットの気持ちはどうなる。」と怒るサム。 「でも、家族は必要だろ。」 「家族ならないる。」 「ゲイじゃないか。エイズにでもなったら、どうするんだ。」 切れたサムと一発触発の危機。 と、その時、子供たちの歌声が‥‥。 仲間とともにクリスマスソングを歌うスコットだったが、父親の姿を見つけ、ここでの生活に終わりが来たことを知る。 せっかくサムやエリックともうまくやれそうなのに。仲のいい友達もできたのに。 「ぼく、ここにいちゃいけない?」 「どうかな‥。」とエリック。 「何を言ってるんだ。パパが迎えに来たんだよ。プレゼントがあるんだ。新しいママだよ。」 スコットは絶望的な気持ちになる。 傷ついた顔を見せるスコット。そんなスコットの気持ちを察したパパのGFは、 「彼はここにいるべきだわ。みんな彼の家族なのよ。」 「馬鹿な。父親は俺だぞ。」 しかし、スコットがこのコミュニティの一員として暖かく迎えられてるのを感じて、彼も仕方なく 「いいよ。わかったよ。」 やったー!! 照れながらも手を差し伸べるエリック。その腕のなかに飛び込むスコット。 血は繋がっていなくても、今はもう家族。 朝食のシーンは重要な部分です。 男二人暮らしの家庭では、朝食は手抜き。そこにスコットが現れて、ママが作ってくれたパンケーキやハムエッグを望む。スコットは自分からアルファベットのパンケーキを焼いて食卓を飾り、ここでの生活を受け入れようとする。 スコットがしょげた日には、パンケーキなし。寂しくエリックはコーヒーを飲んでいた。 サムと仲たがいした翌朝は、ホットプレートの上に、丸く形のいいパンケーキが三つ。サムが仲直りのために焼いたものだ。 シリアルだけの味気ない朝食が、スコットを迎えて家族のつながりをあらわす暖かなムードに包まれていく。 それから、エリック役のトム。いい俳優さんですね。 君の子供じゃない。と言われた時のエリックの茫然として立ち尽くす姿はジンと心に残りますよ。 それから、最後、スコットに気持ちを伝えるエリックは、素敵!!ビリーのOKをもらってほっと、息を抜くときの表情もいいです。 サム役のベンもハンサムだし、イケメンそろいのカップルのところに来た、シシーボーイも愛らしくて、ビジュアル的にとても素敵なファミリーでした。 個人的に言うと、女たらしの駄目父はツボです。能天気、空気読めないあのキャラは、素敵です。(笑)
by cinema_st55
| 2009-12-25 01:44
| コメディ
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